近場でのんびり大学選び

私は埼玉県坂戸市で生まれ育ちました。
高校まですべて、地元も公立校でした。
大学選びに当たっては、最初のうちは、東京へのあこがれがやはりあって、「都心のキャンパスライフはかっこいいな。
青山とか六本木なんかでランチをしたり、渋谷でコンパなんていうのもいいなあ」というぼんやりしたイメージは抱いていました。
しかし、家からだと1時間以上かかり、4年間という時間の長さを考えると、できるだけ家から近い大学のほうが、現実的だと結論しました。
親は特に何も言いませんでしたが、「息子らしい大学選びだ」と見ていたようです。
ただ、家の経済状態から、浪人は無理、失敗したら就職、という親子共通の認識はもっていました。
生来ののんびりやの私は、まあ就職も悪くないくらいに軽く考えていました。
自分の学力にあった近隣の大学、ということで3校受験しました。
受験料の関係で、あまりたくさん受けるのは親に悪いと思い、自分で決めたことです。
第一志望は、城西大学でした。家は東武東上線の「若葉」という駅が最寄で、東上線で1駅、「坂戸」駅で東武越生線に乗り換えて、3つめの「川角」駅にある大学です。
近隣といっても越生方面は普段ほとんど行くことはなく、その先は飯能から秩父方面へつながる、なんだか遠足きぶんで、それもまた自分の性に合ってると感じました。
大学に下見に行きました。郊外の住宅地といった町で、キャンパスは駅からは10分くらい。
駅前にはこれといった飲食店もほとんどなく、あくまで静か、これも気に入りました。
地図で確かめると、家からの距離も遠くない。
これなら自転車でも通えるのではないか、と思い、実際に大学まで自転車で行ってみました。
道はほぼ平坦で、時間はそれなりにかかりますが、天気の良い日ならサイクリング気分で行けるとわかり、ますますうれしくなりました。
「なにがなんでも、ここに合格するぞ」と、初めて受験への意欲が生まれたのです。
いろいろと考えるうち、やっぱり大学へは行きたい。
就職より、もう少し自由な時間を生きていたい、という思いもありました。
結果は、合格。ほんとうにうれしかったです。
下見して、模擬自転車通学もしてみて、頭の中でできあがっていた自分なりのキャンパスライフが現実のものになったのです。
実際には、もちろん毎日が自転車通学というわけにはいきません。
けれど、春や秋の天気の良い日に、すいすいペダルをい漕いで行く気分は格別なもので、遠くから通ってくる友達からはずいぶんうらやましがられたものです。
大学へは奨学金で通いました。
電車の定期代などの経費も最小限で済み、もちろんアルバイトはしましたが、なにしろキャンパスの立地が余計な遊びのしにくい環境で、ほんとうにお金はつかいませんでした。
親への負担がわりと少なくすんだのも、気持ちの上で楽でした。
最初はごく消極的な、いいかげんな気持ちで選んだ大学ですが、卒業して17年たった今、ベストの大学選びだったと思います。とにかく健康的な4年間でした。

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